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海外で飲食店を始めるにあたって悩まされること

投稿日:2020年1月15日 更新日:

海外で飲食店を始めるにあたって悩まされること

海外で飲食店をやるにあたって悩まされることはいくつかありますが、そのうちの一つがメニューや味付けのローカライズです。

寿司を例にすると、日本では寿司と言えば、握り寿司ですが、海外(アジア以外)では寿司と言えば、カリフォルニアロールのようなロール寿司です。

そして、海外では生魚はあまり好まれません。

せいぜいサーモンくらいですが、そのサーモンすらも、炙りサーモン(炙りと言ってもほぼ全焼き)の方が好まれます。

海外の寿司屋では、チキンカツや天ぷらがよく寿司に使われます。

そのため、揚げ物とバランスの良いアボカドもよく使われます。

日本の寿司屋に揚げ物用のフライヤーはありませんが、海外の寿司屋ではフライヤーは欠かせません。

フライヤーが故障でもすれば、寿司屋を営業できなくなるくらい揚げ物率が高いです。

海外では、日本人用のメニューと外国人用のメニューの両方があることが多いですが、両メニューを揃えるだけでは解決しません。

例えば、天ぷら一つにしても、欧米人は日本人よりも衣の厚い天ぷらを好みます。

枝豆にしても、欧米人は日本人の2倍以上の塩の量を好みます。

唐揚げ丼にかけるマヨネーズの量も日本人よりも多くかけます。

そもそも唐揚げはマヨネーズよりも、スイートチリソースを好む人も多いです。

みそ汁、ラーメン、うどんのつゆ、全ての味付けにおいても、欧米人は日本人よりも濃い味付けを好みます。

そのため、シェフはメニューだけに限らず、味付けについても、現地の人たちの好みを知っていなければなりません。

これは僕がオーストラリアの高級日本食レストランで働いていた時の話です。

高級と謳い金額も高いため、レストラン側は日本の本格的な料理を出すべきか、それとも、ローカライズされた現地の人が好む料理を出すのか、いつも悩まされていました。

お客さんに好まれればいいだけの話ですが、高級レストランに来るようなお客さんは日本に旅行したことがある人も多く、その中には日本の味付けを好み、本格的な日本料理を期待してくる人たちもいるのです。

そして、そのレストランではお任せコース料理もやっていたので、大変でした。

本格的な日本料理を知っている人からすれば、本格的ではないとクレームが来ます。

だからと言って、本格的にすれば、そこらへんの回転寿司の方が美味しいとまたクレームが来ます。

味付けについては、欧米人とアジア人では好みが違う以上、決して、解決されることのない問題だなと思いました。

日本のピザやインドカレーなども本国の人からすれば、日本人用にローカライズされていて違うとよく聞きます。

それと同じように、海外での日本食も海外ではローカライズされているため違うのです。

日本人ではないシェフが無知でおかしな日本食を作っているケースもありますが、日本人が作っているとすれば、それはあえてローカルの人用に変えているはずです。

そのため、日本人がよく「海外の日本食はマズイ」と言いますが、シェフ側からすれば、複雑な気持ちになります。

ちなみに、日本で長年シェフとして働いて来た人は味付けをローカライズすることを嫌う人が多いです。

自分が美味しいと思うもの以外を出したくないのです。

現地の好みに合わせられないような頭の堅い人は、現地の暮らしにも慣れず、やがて日本に帰っていくパターンがほとんどです。

シェフの喜びとは、自分が美味しいと思うものを出して、お客さんに喜んでもらうことです。

海外では、自分が美味しいとは思わないものを出すことが多々あります。

また、日本人のお客さんは繊細なため、料理の細かな変化に気付いてくれます。

料理人が少しの変化を加え、それをお客さんに気付いてもらうということは、料理人の喜びかもしれません。

海外では、注文が別テーブルに持っていかれたとしても、気づかずに食べられてしまうことすらよくあります笑

もし、海外で飲食店をビジネスとしてやるならば、メニューはもちろん、味付けのローカライズは必要不可欠だと思います。

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プロフィール

Keisuke Kobayashi

日本、アメリカ、オーストラリアの3カ国で寿司職人として働く

現在は、日本でサラリーマンをやっています

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