英会話に必要なのは「英語力」と「推測力」
英語力さえつけば、英会話をスムーズにできると思っていませんか?
それは、正しくもあり、間違ってもいます。
なぜなら、英会話には「推測力」も関係してくるからです。
例えば、本を読んでいれば、わからない単語は必ず出てきます。
しかし、いちいちその単語を調べることはせず、周りの文から推測をして、内容を理解していきます。
これは、実際の会話でのコミュニケーションも全く同じです。
同じ日本語でも、相手が自分の知らない単語を使ってくることは多々あります。
しかし、その時は、無意識に推測で補っているケースがほとんどだと思います。
これは「単語」だけではありません。
例えば、相手が
「昨日のあれ良かったよね~」
と言ってきたとします。
推測力のある人は、その「あれ」が何のことを指しているのか、すぐにわかります。
一方、推測力のない人は、その「あれ」が何のことなのかを、説明してもらわないと話が進みません。
これと同じことが、英会話でも起こります。
英会話中、知らない単語が出てきても、推測で補って理解していく人と、そうでない人に分かれるのです。
実は、これはTOEICなどのテストでも同じことが言えます。
例えば、リスニング問題で「Printer(プリンター)」という単語しか聞こえなかった2人がいたとします。
推測力のある人は、「プリンター」という単語をもとに、「プリンターが壊れたのではないか?そのため、修理の依頼でもしたのではないか?」と、「プリンター」という単語をもとにストーリーを推測で展開して、問題を解いていきます。
一方、推測力のない人は、「プリンターしか聞こえなかったから、わからない」と言って、適当に回答をしてしまいます。
同じ、「プリンター」しか聞こえなかった2人なのに、結果はまるで違う結果になるでしょう。
要は、推測力のある人の方が、高得点が出やすいということです。
そのため、「過去問で問題の傾向を知る」ということは、効果的だと思います。
そして、これを実力ではないという人もいるかもしれませんが、テストで推測力が効く人は、実際の英会話でも推測で自力で乗り切ってしまう人が多いです。
例えば、駅でキョロキョロしている外国人は、迷っている人の可能性が高いです。
どこへ行きたいのかさえ絞って聞けば、すぐに解決のできる問題です。
そして、その「どこ」は日本の地名の可能性が高いです。
推測力さえあれば、多少の英語力で助けることができてしまいます。
そして、「推測力」の利く範囲は、その分野の知識がある人が、どうしても有利になってしまいます。
例えば、ITに詳しい人が、IT関連のリーディング問題を解けば、推測できる範囲が広いです。
こういう面から考えれば、サラリーマンと学生がTOEICで同じ点数を取ったとしても、学生は推測ができない分、英文をきちんと理解して解いている可能性が高く、純粋な英語力は学生の方が上なのかもしれません。
例えば、僕の受けたIELTSのある回でのリーディング問題では、「凧あげ(たこあげ)の歴史」と「凧の作り方」でした。
凧あげマニアには有利な回ですが、普通の人は、詳しくないと思うので、きちんと英文を理解しなければ解けない、公平な問題だったと思います。
しかし、実際の英会話や多くのテストでは、「推測力」のある人が有利です。
全力で単語を覚えることも重要ですが、全力で「推測してみる」ということも重要です。